う折々

魚突きとスノーボードと…か

2021夏遠征① 遠征初日、はじめてのポイント

不安>期待

 遠征では限られた日数で確実に魚を捕りたいから、ついつい実績のあるポイントを選びがちで、開拓の精神は乏しめ。

 初めてのポイントにこれから潜ろうと着替えている時はいつも、「全然魚がいなかったらどうしよう…」という大きな不安と、「もしかしたらめちゃくちゃ魚影濃いかも…!」という淡い期待を抱いていて、不安の方が圧倒的に大きいけれど、裏切られることへの期待を捨てきれない。

 着替えてしまったら潜るしかない。程よく入江状になった岩場が波を遮ってくれていて心配のないエントリー。漕ぎ出し、腹が擦りそうな浅瀬を抜け、事前にGoogleマップで目を付けていた約500m先の瀬を目指す。

  いつもは透明度が高いエリアだけど、前日の雨の影響か海面が白く濁っていて、海面から15m以深の魚を見つけることは難しいコンディション。こういう海では空潜りしないと魚が捕れないトホホ。

 エントリーしてすぐの10m弱の浅場には、イシダイ・ハマフエフキ・アオブダイ等が濃く泳いでいて、このポイントへの期待値がググッと上がったのも束の間、しばらく泳いでいると魚影が薄くなっ…いや、魚影が無くなっていき、期待の気持ちは萎んでいった。

 

捕りたい魚を発見!

 深いと海底が見えない&潜っても魚がいないというつまらなさから、海面からでも海底が見える水深10m程度のところを泳いでいたら、海底の岩の隙間を縫うように泳ぐ40cmくらいのアカハタを発見。良いサイズのアカハタほど頭の焦茶色と白い身体のコントラストがハッキリしている気がする。

 アカハタがいた周りを見渡すと、根と根の間の谷のような地形にある岩の周りにイシガキダイなどの魚が集まっていた。

 様子を見るため、岩から10mほど離れた位置に潜って着底。岩の下に隙間があって、他にも2,3匹のアカハタが出たり入ったりしていた。とりあえず雰囲気は掴めたので、一旦浮上。

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アカハタがひそむ岩(-10m)

 よーしアカハタを捕るぞと、息を整えて、先ほど様子を見るために潜った位置と同じ位置に着底。

 顔を上げると、2匹の同じくらいの大きさのアカハタが岩の手前からこちらを見ていた。どちらも40cmぐらいありそう。ゴムを引いて狙いを定めたら、1匹はゆら〜っと岩の下へ行ってしまったが、もう1匹は変わらずこちらを見つめている。よし…

 

 じりと近寄ると、アカハタが左を向いた。

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40cmない!

 む、この個体は40cmないな…と少し迷ったが、悪くないサイズではあるので、Uターンして去ろうとする左頬を目掛けて発射。躊躇ったせいか少々遅れ、左のカマのあたりから右の頬に抜けた。

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アカハタ38cmくらい

 手元に手繰り寄せながら浮上して、右のおでこからナイフで締めて、エラの上の付け根をピッと切ってふりふり。

 アカハタは、その気になればいつでも捕れるから後で捕ろうと思ってるうちに、結局最後まで捕れない魚だったから、捕ったのは久々。嬉しい。欲を言えば40cm以上が欲しかった…。 

 ちょっぴり前向きな気持ちになったところで、また瀬を目指して泳ぎ出す。空潜りをして様子を見るも、相変わらず道中の魚影は薄い。

 

 瀬に到着

 瀬は、−15m以深のボトムから切り立っており、てっぺんは満潮でも沈まないくらいには出ているけど、荒れた日には波を被りそうな大きさ。今日は波が当たっていて、瀬の風裏側には白い泡が伸びている。瀬の周りにはメジナが群れていて、道中とは打って変わって良い雰囲気だ。

 さっそく、手始めに瀬の岸側で潜ってみる。

 

 …うーん、いまいち。70cmくらいのコロダイがいた。

 

 ま、ままままだ慌てる時間じゃない。続いて瀬の沖側で潜ってみる。だいたい沖側の方が魚影が濃いものだ。

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瀬の沖側。ボトムは−15m以上ありそうだ。

 しっかり息を整えて、瀬伝いに潜行していく。

 −12mくらい潜ったらボトムが見えてきたので、瀬の側面に張り付くように待ってボトム付近の様子を見てみると…

 

海底の地形が分からないポイントでは、いきなりボトムを目指すことはしない。辺りを見渡せる根の側面や中層でまず様子を伺って、地形や魚影の濃淡を観察するようにしている。特に今回はメインターゲットがスジアラだったので、ファーストコンタクトに拘らずとも何度かアプローチが可能と踏んでおり、いたずらにプレッシャーを掛けないようじっくりと攻めました。(知らない地形でいきなり15m以上潜ることが苦手というのは内緒)

 

むむむ!何十匹というクロホシフエダイの群れが!素晴らしい魚影。これは期待大。

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数十匹のクイロホシフエダイの群れがわちゃわちゃ泳いでいる

 スジアラがいてもおかしくない雰囲気ながらその姿は見えず。しかし、ここで潜っていればいつか現れるだろうと確信めいた期待で粘ってみることにする。

 

 地形や魚影の中心部を探るべく、位置を変えて何度か潜ってみたところ…

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前の写真の大岩の向こう側 魚影は濃いめ

 魚影濃いめで良い感じ〜だけど、スジアラは一向に現れない…

 ただ、オオモンハタがやけに多い。オオモンハタは砂地が混じってるような場所に多いイメージだったけど、砂っけのない岩礁域にもたくさん住み着くこともあるんだね。

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岩の上に佇むオオモンハタ45cmくらい

 捕りやすさ100%のオオモンハタが鎮座しているけど、ここでオオモンハタを捕ってしまうと周りの魚がびびって散ってしまうから、しばらくスルー。

 

 と言いながら、あまりにスジアラが現れないから…

 

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久しぶりに捕ったオオモンハタ

 このアプローチが刺激となって、スジアラが寄ってきてくれると良いな…

 

スジアラじゃなくて同行者が来た

 30分ぐらい瀬の周りでネチネチと潜っていたら、同行者がやってきた。ここのポイントはこの瀬ぐらいしか目ぼしいところがないから必然。

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当然の嗅覚

 なんでも捕るタイプの人だから、オオモンハタも捕るはず!よ〜し…

 

う「この下、オオモンハタがめちゃくちゃいるんで捕ってください!撮るんで!

  

〜つづく〜